SHINAYAKAプラス Vol. 5 興味の幅を広げてみる(内発的動機付けによる学び)

知らないことばかりだった子どものころ、まわりの大人に「これは何?」「なんで~なの?」とよく質問をしていた人は多いのではないかと 思います。純粋な好奇心から何かを知ろうとする気持ちは子どもに強くみられるものですが、大人にとってもいろいろなものに興味をもち、 学んだりすることは、生活に彩りを与えてくれる大切な行為だと言えます。少し古いですが、総理府が1999年に発表したものによると、生涯 何かを学び続けた人の2人に1人が自分の人生がより豊かになったと実感していたそうです。今回は興味の幅を少し広げて、何かを知ること、 学ぶことについて考えてみたいと思います。

内発的動機付けによる学び

「学ぶ」と聞くと、例えば、仕事に必要だから語学を学ぶ、試験に出るから歴史を学ぶといったことをイメージする方が多いかもしれませ ん。これらに共通するものは、知識を得ることはその先にある別の目的のための手段であるということです。確かにこうした学びが必要とな る場面は多くみられます。

その一方で、小さな子どもが好奇心の赴くまま何かを知ろうとして、それがわかったときに大きな喜びが得られるように、学ぶこと自体が楽 しく、大きなご褒美になるような学びもあります。これを「内発的動機付けによる学び」と呼び、私たちの日々の生活をより豊かなものにし てくれます。こうした学びをぜひ生活の中に取り入れていただくことをおすすめしたいと思います。

ふと思いついた疑問を調べてみる

学びといっても必ずしも難しいものに挑戦する必要はありません。むしろ普段の生活の中で何気なく湧いてきた疑問や興味があることを、 ちょっと調べてみるというだけで十分です。普段料理をされている方でしたら、作ったことのない料理のレシピを調べてみるというのもよい ですね。今はITテクノロジーの発達などもあり、コストも時間もかけずに様々な情報を得ることができます。あなたの興味の赴くまま少し調 べてみるだけで、何だか楽しい、ワクワクする、といった体験を味わうことができます。そんな時間をぜひいくつになっても楽しんでいただ きたいと思います。

公認心理師 橋本 空

参考文献

市川伸一(2001).学ぶ意欲の心理学 PHP研究所

総理府 (1999). 生涯学習に関する世論調査 総理府(内閣総理大臣官房広報室)

作成2021年3月

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