SHINAYAKAプラス Vol.3 自己肯定感の高め方

自己肯定感とは、「自分に自信をもち、肯定的にとらえている」感覚のことです。現在関心をもつ人が増えているようですが、それはなかなか自分に自信が持てない人が増えているということの表れかもしれません。今回は、そうした自己肯定感の高め方のうち、日常生活のなかで簡単に試せるものをご紹介したいと思います。

明るい言葉を使うようにする

まずおすすめなのは、普段から意図的に明るめな言葉や表現を使うようにするということです。人は、自分の考えや気持ちに合わせて、行動を無意識に変えていくという特性があります。これは予言の自己成就と呼ばれています。スポーツ選手は大会などの大切な局面で、「自分はできる、勝てる」と言い聞かせることで、能力を最大限に発揮しようとすることがあるそうですが、これは予言の自己成就を有効活用している例と言えます。この心理的なテクニックを普段の生活でも活用してみようというわけです。

具体的には、天気がいい日に「今日もいいことが起こりそうだな」と考えたり、何かがうまくできたときには、「私すごいなー。うまくいったね。」とつぶやいてみたりなど、明るい言葉やポジティブな表現を意図的に使ってみるというものです。その結果、自分に自信が出てきて、何でもやれそうな気持ちになってきたら、楽しい一日が送れそうですね。

服装に自分らしさを取り入れてみる

服装も自己肯定感を高める大切な要素です。特に好きな色の服、自分らしいと思える服を着ると、それだけで前向きな気持ちになったことがある人は多いのではないでしょうか。このように、服装で自分を表現することも自己肯定感を高めるために有効だと言えます。

もちろん、仕事中はスーツなどを着用し、休日自宅ではくつろげる服装でというように、場面に合わせることが必要な場合も多いでしょう。ですが、そうした中にも好きな色や好きなアクセサリなど使って、少しでも自分らしさを取り入れることができるとよいですね。

このように今の生活の一部分を少し工夫するだけで、もっと自分のことが好きになれるかもしれません

公認心理師 橋本 空

参考文献

樋口善之・松浦 賢長 (2013). 大学生における自己肯定感と生活習慣との関連に関する研究 福岡県立大学看護学部紀要, 1, 65-70.

Merton, R. K. 1949=1957, Social Theory and Social Structure. Free Press. (ロバート, K. マートン. 森 東吾 ・森 好夫 ・金沢 実 ・中島 竜太郎(訳)(1961). 『社会理論と社会構造』 みすず書房)

中川 早苗 (2011). 被服心理学へのいざない 日本衣服学会誌, 54, 69-74.

作成2021年3月

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