World MS Day 2021 |
コンテストの応募受付は締め切りました。応募数は161句となりました。たくさんのご応募ありがとうございました。見事入選されました作品を発表いたします。
当事者の方々が、MSと向き合う中で少しでも前向きになれるようなお手伝いを
「健康な方にこの病気を理解してもらうことの難しさを感じた」といったご意見もあれば、「MSの症状は外見からは分かりづらく、気づいてもらうのが難しいので、辛い時は辛いと発信したい」や、「MSの認知が上がって、当事者が生きやすい社会になってほしい」など様々なご意見を伺いました。
バイオジェン・ジャパンでは、そんな“想い”を何らか見える形にし、日々MSとともに歩まれる方々に共感頂けるようなものに仕上げることができれば、皆様に明るい生活を送るきっかけをお届けできるのではないかと考えました。
多発性硬化症(MS)は、まだ十分に知られていない疾患です。バイオジェン・ジャパンは、毎年5月末のWorld MS Dayに、MSを一人でも多くの方に正しく理解して頂くために様々な啓発活動を行っています。MSの症状や程度は人によって様々であり、それ故にご自身の病気と向き合う姿勢や考え方もまた人それぞれです。
今年は、色々な想いを抱きながらMSとともに歩んでおられる方々が、MSと向き合う中で、少しでも前向きになれるようなお手伝いをさせて頂きたいと考え、『多発性硬化症マイバッグ デザインプロジェクト』を実施いたします。
MSとともに歩まれる方々の生活をよりよくするツール(マイバッグ)を「考える」プロジェクト
様々な“想い”をイラストやグラフィックで表現することで、MSと向き合う中で起こりうる困りごとやもどかしさが、どうすれば解消されていくのかを考えるプロジェクトです。
言わば、当事者の方々の生活がより明るくなるデザインを検討していく企画で、それらのイラストやグラフィックをマイバッグという日常の生活で使用するツールに実装します。
本プロジェクトは以下のフローで開発を進めています。当事者の方々とそうでない方々が何度もディスカッションを重ねることで、互いにMSという病気について真剣に向き合っています。
5名の当事者の方々、3名のデザイナーが参加し、様々な想いを共有し、話し合い、理解を深めます。
当事者の方々とデザイナーがペアでチームを結成。うかがった“想い”を、デザイナーがそれぞれ形にしていきます。
当事者の5名にはクリエイティブディレクターを担当頂き、形になった“想い”をチームごとにフィードバック。さらに議論を重ね、お互いがよりいっそう認識を摺り合わせします。
フィードバックを受けてさらにアップデート。6月6日に実施したオンラインイベントにて発表しました。
このデザインには、MSのことをもっと多くの方に知ってほしいという想いが詰まっています。程度や症状が人によって様々なMSは、その全てを伝えることが難しい病気です。そのため、このバッグによって「なにそれ?可愛いね!」「MSという病気があって、私もMSで、こういった症状が出ることもあるんだよ」といった、“会話のキッカケ”になればいいなという願いを込めています。タンポポのようなイラストは、MSの発症機序である神経の脱髄、手足・目のイラストはMSの代表的な症状を表していますが、それらをポップに仕上げ、お散歩好きな私が太陽に向かって歩む様子や、日々トレーニングに励む様子なども取り入れることで「持ちたくなる」「持つことで気分があがる」バッグを目指しています。また、私自身が車いすユーザーであり、両手をあけられるようなバッグにしたいという想いで、肩掛けタイプのサコッシュやショルダーバッグを前提にデザインしています。
Creative Direction:加地彩さん
Design:白澤真生さん
私がMSになった当初、インターネットで検索をすると「MSは美しい女性がなる病気」とヒットしたことが印象的で、その名に恥じぬように生きて行こうと決意しました。このデザインには、MS当事者の外面的・内面的な“美しさ”や“アイデンティティ”を象徴するものにしたい、という想いを込めています。その美しさやアイデンティティを表現するために、花とリボンをモチーフにしています。「感謝」や「崇高美」といった花言葉を持つピンクのガーベラ。そして、横倒しにすると「MS」と読めるリボン。花を自分自身と見立て、エレガントなリボン=“MSというアイデンティティ”をまとって力強く生きて行く様を表しています。そして、静的な美しさを印象付ける青、アクティブな印象のあるピンクという配色もこだわったポイントで、さりげなく入った「MS」の文字は、疾患を示すアイコンにもなりうるデザインです。
Creative Direction:大石菜摘さん
Design:中屋辰平さん
ロックが好きで、かっこいいデザインにしました。MSは女性に多い疾患ですが、男性の患者さんもいらっしゃいます。そのため、性別問わず持て、持てば情熱と元気が湧いてくるバッグを目指しています。今、私は症状が出ていないものの、それでも電池が切れたように動きたくなくなる瞬間があります。また過去には、右目の震えを職場の同僚から指摘されたことがキッカケで病院へ行くことができました。そうした経験から、「周囲が気づいて声をかけ、自分も行動を起こして病院に行く」ことを、MSの頭文字をとって“Move”と“Save”で表し、電撃のような文字は、電池が切れた状態に「元気を与える」という意味があります。そして、MSと診断がつくことで、人生が良い方向に進んで行くことを、音楽ライブにちなんで「GET A TICKET」という言葉で表現しています。MSがもっと有名になり、MSであることにまだ気づいていない人がいたら、周囲が行動に移し、自身も行動を起こしてほしいという想いを込めたデザインです。
Creative Direction:小田桐美穂さん
Design:白澤真生さん
MSになってから多くの方との出会いがありました。このデザインには、「出会うこと」が生きる力となり笑顔になる、という想いを込めています。同じ病気の仲間や別の難病の方、医療従事者などサポートをしてくださる方との出会い。フィットネスクラブでヨガの講師をする私を気遣ってくださる同僚や会員さん。杖を利用するようになってから、街中で様々な支援をしてくださる方。そして、いつも支えてくれる家族や親友…。このバッグのMとSのマークは同じ病気の仲間、十字のマークは医療従事者など支援をしてくださる方、ハートは優しく支えてくださる周囲の方、そして太陽は自分自身で「元気さ」をイメージしています。過去には誰にも迷惑をかけられないと思う時期もありましたが、頼ることは弱いことではないと思います。相手も何かしたいけど、どうしたらいいか分からない。なので、自分のことを相手に伝えて頼ることは、目前の問題を乗り越えて前向きに生きて行ける強さにつながります。このバッグを見て「これは自分で、これはあの人で」と顔を浮かべ、一人じゃなくて繋がっているという気持ちになればいいなと思います。そして、思いやりと助け合いのある、そんな社会になっていったらいいなと思います。
Creative Direction:末松恵さん
Design:中屋辰平さん
このデザインには、大きく2つの想いがあります。1つはMSという病気を知ってもらうこと、もう1つはバッグを持つ人が繋がりを感じられることです。私は、そんな繋がりが持てる場を作りたいという想いで立ち上げた患者団体「M-N Smile」の活動を通して、MSをはじめ様々な病気の方と出会ってきました。その経験から、人と人が手をつなぎ前進するイラストをモチーフとし、当事者同士、サポートをしてくださる周囲の方との繋がりを表現しています。私は杖を使って生活することがあります。すると片手がふさがるので、ペットボトルがあけづらかったり、傘をさす時も両手がふさがってしまい何もできなくなるという経験をしました。そんな時に、一緒に立ち止まって寄り添ってくださる方も輪の中に入り、誰もが一緒に暮らしていけたらいいなという願いを込めています。そんな社会になれば、皆が笑顔になれるんじゃないかという想いを「Smiling Life, Connection through…」というメッセージに込めています。また、MSは女性だけでなく男性もいらっしゃることから、性別を問わず持てるバッグを目指したデザインです。
Creative Direction:狐崎友希さん
Design:白澤真生さん
World MS Day(世界多発性硬化症の日)は、MSの認知向上などを目的にMS世界連合と世界各国のMS協会により、2009年に制定されました。
日本でもMSの認知向上を目的として、趣旨に賛同した組織、団体、個人により、さまざまな啓発活動が展開されています。